イノシシは風呂づくりの名人だった‥
こんにちは!
皆さんはイノシシのお風呂って見たことありますか?
先週、リックさん&リアンさんと「あませんの森」の詳細な地図を作るために山の中を3時間ほど歩き回ったのですが、その間に3つのイノシシのお風呂に遭遇しました。イノシシは身体についたダニなどの寄生虫を落としたり、体温を下げたりするために穴を掘って雨水を溜めているのだそうで、正式には沼田場(ぬたば)といいます。
こちらは、直径2.5メートルほどの大きなお風呂と1メートルほどの小さなお風呂。大人用と子ども用でしょうか。このあたりの地質は下の方が粘土質になっているため、水を通しにくくなっています。イノシシはそのことを理解した上でここにお風呂を造ったということになります。
こちらはまるでスコップを使ったかのようにきれいに掘られていました。左側の壁、ほぼ垂直ですよね!よくできています‥。
三つめはこちら。3方に太い木の根っこがあり、リックによるとイノシシはここに身体をこすりつけてゴシゴシやるのだとか‥。ということは、イノシシは最初からこの3本の木の根を活用することを前提にこの場所を選び、お風呂を設計・建設したのでしょうか。いやはや、畏るべし!
天草でもイノシシは畑を荒らす厄介者で、各地で被害が相次いでいます。捕獲が進められるのは仕方がないと思いますが、こうして賢く生きているイノシシの実態を知ると、奪った命を無駄にしてはならないなと改めて思いました。捕獲されたイノシシの多くはいま、山の中に穴を掘ってそのまま埋められたり、廃棄物(ゴミ)として処分されたりしています。ジビエとしての活用などイノシシを活かす取り組みはまだまだ広がっていません。人間だってイノシシだって尊い命、大切にしたいものです。
※ちなみに、「のたうちまわる」という言葉の語源は沼田場(ぬたば)でイノシシが転げまわりながら泥を浴びている様子から来たものだそうです。イノシシがのたうちまわる様子、見たいような、見たくないような‥(笑)
(あません:後藤千恵)