無肥料、無農薬!菌ちゃん農法に挑戦 ④ウネづくりの実践

いよいよ6月1日(日)、ウネつくりイベントを開催しました!

今回のイベントは、地元城河原の皆さん(特に高齢で農作業をしておられる方々)に菌ちゃん農法について知ってもらえればと思って企画したので、SNSで一般に広く呼びかけはしませんでした。それでもご近所の皆さんのほか、友達の友達という感じで情報が回っていたようで、総勢34人の老若男女が参加してくださいました。菌ちゃん農法ってやはり関心が高いんですねー。

当日の工程です。

・・とその前に

今回、私たちが菌ちゃん農法によるウネつくりに挑戦した畑は元々田んぼだったところで、粘土質で水を通しにくい土壌。水はけのよさが求められる菌ちゃん農法では条件不利地です。このため、畝を作る前にお隣のNさんにお願いして、事前にトラクターで2回、耕していただきました。これまで自然栽培にちょっとしたこだわりを持っていた私‥、土地を耕すことで土壌中の二酸化炭素が放される上、すでに土壌の中に広がっている微生物の世界も壊してしまうことになり、ちょっと後ろめたい気持ちになりましたが、菌ちゃん農法ではウネを一度、作ってしまえば、毎年耕す必要はなくなるわけですし、菌ちゃんを人為的に加速して増やせる農法なんだ、ということで自分を納得させたところです。

当日ははじめに、講師の竹田さんから菌ちゃん農法の仕組み、そしてウネの作り方などについて説明を受けました。資料をもとにとても分かりやすく説明してくださり、皆さん、まずは頭の中で理解してから、いざ畑へ。畑は拠点のすぐ目の前です。

工程を箇条書きにしてまとめました。

  • 幅1mのウネ、両脇に20センチの溝を掘るため、寸法を測って目印をつける
  • 溝を掘る
  • ウネの土台となる部分の両端に糸状菌がついた丸太を並べる
  • 丸太の周りに(菌が広がりやすいよう)朽ちた細い竹を並べる
  • カキ殻石灰とマグネシウムをまく(pH調整とカルシウム補強のため)
  • 竹炭をまく
  • 土をかぶせて畝を50センチくらいの高さになるまで高く盛り上げる

※この作業が一番大変でした。菌ちゃんを広げるには水はけをよくすることが重要なポイントに。このために最低でも50センチの高さは必要とのことで、参加した皆さんは途中で選手交代しながら、スコップやクワで土を掘っては積んで、掘っては積んでを繰り返しました。途中、「そろそろいいかな~」と思ったところで、竹田さんがメジャーで高さをはかります。「まだですねー」「もうちょっと高く!」というダメ出しを2回うけて、ようやくOKのサインが出た時には皆さん、「終わったー」と安どの表情を浮かべていました。

  • きれいな台形になるように形を整える(両脇は急斜面にする)
  • 上部に枯れ葉を置いてスコップで土とよく混ぜ合わせる
  • ポリマルチをかける
  • 土のうを作って、マルチの上に置く(水を上部に吸い上げるため)

当日は梅雨入り直前の晴れ間で、最高気温が29度になる暑い日でしたが、参加者は汗をぬぐいながら作業にあたり、立派な2つのウネを完成させてくれました。最後にみんなでウネに手を添えて、「菌ちゃん、ありがとう、よろしくね」と声をかけました。菌ちゃんは生き物、菌ちゃん先生によると、この声かけが大事なんだそうです。

■ 食後のお茶会と、つながる輪


猛暑の中、ウネを完成させた達成感を感じつつ、最後は部屋に戻ってお茶会です。近所の皆さんのほか、すでに菌ちゃん農法に取り組んでいる方や、これから具体的にウネ作りの計画を立てている方などが参加してくださり、菌ちゃんの話で盛り上がりました。中には菌ちゃんのウネで「3キロほどもありそうな大きなキャベツができてびっくりした」という体験談も。「また作業をするときは声をかけてね」ということでLINEで連絡先を交換、菌ちゃん農法を真ん中に、嬉しいネットワークが広がりました。

お隣の70代のMさんは、はじめは「キンチャン農法?それなに?」という感じだったのですが、「こいから毎日、菌ちゃんにがんばれて声ばかけんば」と冗談まじりに話して下さいました。今回、地元城河原の皆さんに菌ちゃん農法のことを知っていただくというのが目的の一つだったので嬉しかったです。

その後、もう一人のお隣のNさんが「こん溝じゃあ、水の流れんばい」と言って、重機を使って溝を広げてくださいました。城河原のご近所さんは皆さん、本当に頼りになります。ありがとうございます!

■ 菌ちゃんウネのこれから

みんなでウネを作った後、雨が降った日にマルチをはずして、一度、たっぷりと雨にあてたあと、またマルチをし直しました。これからこのウネの中で菌ちゃんが広がり、実際に野菜を育てられるようになるまで、3か月ほどかかるそうです。元々田んぼで、水はけが悪く、菌ちゃんにとっては厳しい環境ではありますが、時間をかければ菌ちゃんが大きく広がって土を豊かに育ててくれるはず。仲間とともに、その“土の営み”を信じて、ゆっくり見守っていきます。

これからも、菌ちゃん畑の記録を少しずつ発信していきます!

(後藤千恵)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です