無肥料、無農薬!菌ちゃん農法に挑戦 ①菌ちゃん農法って何?

私たちの拠点の周辺には、耕作放棄地が広がっています。先日、ついにその一部をお借りできたので、農薬も肥料も使わずに土の中の微生物(=菌ちゃん)の力で野菜を育てる菌ちゃん農法に挑戦してみることにしました。

自然の力を活かす自然栽培(不耕起栽培)の魅力は十分に理解し、少しずつやってもいたんですが、収穫の不安定さや品質に課題も‥。そんな時、天草市で菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの講演を聴く機会があり、「これだ!」と思いました。自然の力を活かしつつ、野菜の成長を人の手で後押しできる“持続可能な農”のかたち。しかも、一度ウネを作れば、あとはタネや苗を植えるだけで肥料をやらなくても大きく育ってくれる。土壌の栄養分をたっぷり吸収して丈夫に育つのでムシもつきにくい、だから農薬もいらない!菌ちゃん先生は佐世保にある菌ちゃんファームでの野菜づくりの具体的な実践例を写真つきで紹介、300人ほどの聴衆は時々驚きの声をあげながら、話に聞き入っていました。

菌ちゃん農法は高齢化が進む日本で今後、すごくニーズが高まっていくのではないかと感じました。菌ちゃん農法の詳細は、吉田さんが何冊もの書籍にまとめられていますし(たとえば、「図解でよくわかる菌ちゃん農法」(家の光協会))、ユーチューブなどネット上ではすでに全国各地で取り組まれている様々な成功事例が紹介されています。ただ、そうはいっても、自分で実際にやってみないことには確信を持てないし、皆さまにお薦めもできない!‥というわけで6月1日(日)、拠点の前の耕作放棄地で“菌ちゃんウネ作りの達人”竹田恭子さんを講師に34人の仲間とともにまずは菌ちゃんのウネ作りに挑戦しました。

これから4回にわたって、菌ちゃん農法のウネづくりの実践についてお伝えします。

まずは、菌ちゃん農法って何?というところから‥。

■菌ちゃん農法ってなに?


菌ちゃん農法は、吉田俊道さんが提唱する「微生物の力で野菜を育てる」農法です。化学肥料や農薬は使わず、朽ちた竹や木、落ち葉など“菌のエサ”を土に仕込んで微生物を増やします。野菜の根っこは土の中の菌のネットワークとつながって養分をたくさん吸収するので、丈夫に育ち、虫がつきにくい元気な野菜になるというわけです。虫がついている野菜は農薬をかけていない証拠だから安心、と思っていましたが、そうではないんですね。虫がつくということは、つまり野菜が弱っているということ。虫は丈夫で元気な野菜は好まないんですって。だから、菌ちゃん農法でたくさんの養分を吸収して元気に育った野菜には虫がつかない!

菌ちゃん農法のメリットは、一度高いウネを作ればその後は基本的に耕す必要がなくなるとされている点。耕さなくても土の中の微生物たちが、土壌をふかふかに保ってくれるんです。 肥料も農薬も不要。自然のリズムに寄り添いながら、無理なく続けられるというのが魅力、と謡われています。

■ なぜ菌ちゃん農法に注目したのか?

自然栽培の良さは理解していましたが、収量や品質が安定しにくいという課題がありました。菌ちゃん農法は、いわば、その自然栽培の効力を“スピードアップ”させる農法です。慣行農法に負けない野菜づくりが可能で、高齢の方でも続けやすい。家庭菜園でも、最初のウネ作りさえしっかりできれば、あとは大きな負担なく楽しめます。大きめのコンテナを使えばベランダでの栽培も可能とのこと。

食料が足りなければ輸入すればいい、と楽観的でいられる状況がいつまで続くのか、一人ひとりが(できる範囲で)「自分の食べるものは自分でつくる」ことの重要性が改めてクローズアップされようとしている今、菌ちゃん農法はその入口としてとても有効なのではないか、まずは実践してみて、本当に自分の目でその効力を確認できたら、いろんな方に自信をもって伝えていこうと思っています。

菌ちゃん農法でまず必要になるのは、菌ちゃんのエサ集めです。次回は、このエサ集めについて報告しますね!

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